大正から昭和を行き来できる、
水道歴史さんぽ
私たちの暮らしに欠かせないインフラのひとつ、水道。
時代とともに水道施設も進化しており、それを体感できるのが宇部市小串地区。
貴重な建物をたどりつつ、いつもと違う目線で街さんぽを楽しんでみましょう。
その1:暮らしにどっぷり息づく文化財
桃山配水計量室(ももやまはいすいけいりょうしつ)
〈1924年/大正13年建設〉
宇部市を見渡す小高い場所にあるこの建物は、市街地への給水量を計る施設として使われた、通称“六角堂”。
宇部を象徴する“桃色れんが”造りのゴシック様式の建物は、中世の城を思わせるたたずまい。
後の時代に住宅街ができたので、建物を避ける形で生活道路が造られ、車通りも頻繁です。
国指定登録文化財なのですが、暮らしの中に当たり前にあるのがすごいですね。
その2:機能的かつおしゃれな文化財
旧桃山1号配水池監視廊入口(きゅうももやまいちごうはいすいちかんしろういりぐち)
〈1924年/大正13年建設〉
先ほどの桃山配水計量室から北に約400m上ったところにあるのが、「旧桃山1号配水池監視廊入口」。
浄水を貯めておく配水池の見張りのための施設でありながら、細やかに施された装飾には設計者の美意識が感じられます。
その3:ここは近未来!?展望塔のある配水池
桃山3号配水池
〈1987~1988年度/昭和62~63年度建設〉
時代は進んで大正から昭和へ。
旧桃山1号配水池監視廊の後ろに建つのが、こちらです。
こちらは現役の配水池ですが、最大の特徴は“パノラマ展望塔”があること!
展望塔は週末を中心に一般開放されており、中に入ることができます。
階段を上った先の展望室からは絶景が楽しめ、こういった展望塔のある配水池は県内でもかなり珍しいそうです。
知られざる山口の歴史珍スポット!?
大正ロマンを感じる2つの建物と、昭和のSF感漂うロケットのような展望塔付き配水池。
“水道施設”をキーワードに、建築や街の歴史を体感できます。
3つの施設はすべて徒歩圏内にあり、旧桃山1号配水池監視廊入口・桃山3号配水池のそばに駐車スペースがあるので、そこから桃山配水計量室へ歩いていくのがおすすめ。
風が気持ちいい今の季節に、街中でタイムトリップを楽しみませんか。
●桃山配水計量室
所》宇部市大字小串字福富175-9
時間》24時間観覧可能
●旧桃山1号配水池監視廊・桃山3号配水池
所》宇部市小串345
開/毎月1・3土曜と日曜・祝日の9:00~16:00に一般開放
時間》入場無料
駐車場》あり
問合せ》宇部市水道局 広瀬浄水場
☎0836-41-6004
掲載の内容はタウン情報トライアングル2022年10月号取材時のものです。最新情報と異なる場合がありますので、事前にご確認をお願いします。