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【山口県ラーメン】ラーメン好きが巡る麺図鑑vol.12/周南市・ラーメン大将

とんこつラーメン¥590

山口県で初めて麺を主役にしたラーメン店

メンガチョ!! のり

山口県の麺類掲示板メンガチョ!!の管理人のりです^^
山口県のラーメンが好き、山口県のラーメン店主が好き、山口県のラーメン店に集う人が好きです^^ 

微力ではありますが山口県のラーメンのために少しでお役に立てる事があれば、との思いで活動をしています^^

一年間担当させて頂いたコラムも今回で最後となります。
つたない文章にお付き合いいただき、ありがとうございましたm(_)m

現在のラーメン大将の大将は2代目になります。

初代は今の大将のご両親です。
ご両親が若い頃は今とは別の仕事をされていましたが、後にラーメンの起業を考えられるようになりました。 

当時、今の来来亭周南店の隣に「パチンコ ジャンボ(現オートバックス)」があり、その敷地に「ラーメン大将」という屋号のラーメン店がありました。 
ご両親は起業に先駆けて勉強の目的で、37年前にそちらの「ラーメン大将」でアルバイトを始められました。

ラーメン店を始めようと思ったきっかけは、アルバイトを始める約10年前に2代目大将のお姉さんの出産のために入院していた周南市の田中産婦人科で、同じくお子さんの出産で入院されていた「本陣@周南市遠石」の女将さんにラーメン店になることを薦められたからだそうです。

ラーメン大将でアルバイトを始めた2年後にバイト先の店主が店を退く事になり、レシピと屋号を引き継いで、念願だったご自身たちのラーメン店「ラーメン大将」が誕生しました。

その2年後には、今の店舗の敷地にあった2階部分での営業が始まり、パチンコ ジャンボ併設の店はその後閉店されました。

それから時が過ぎ、2代目大将夫妻が店の運営に加わり初代の味を磨き上げて、誰からも「美味い」と言われる今のラーメンに進化させました^^

最初にラーメン大将で食べて頂きたいのは、店の代名詞の「とんこつラーメン ¥590」です^^ 

濃い豚骨の旨味に強めに効かせた醤油ダレが見事にマッチしたスープが美味いです^^ 
チャーシューを温めると脂の甘さが際立ち美味さが増しますので、一旦スープへ沈めてしばらくしてから食べる事をお薦めします^^


スープもさることながら、ラーメン大将の「とんこつラーメン」の注目すべきは麺です。

2代目大将が店を承継した直後にスープの改良と並行して、前職のパン製造の経験を応用できる、製麺機を使った自家製麺を手掛けられました。
当時は店の売り上げが芳しくありませんでしたが、工面して5年ローンで製麺機を購入されたそうです。

そしてパン製造で培った小麦の知識を麺製造に活かして、他に類のない揖保乃糸に似たゴリポキ食感で豚骨ラーメンに相性抜群の自家製を作る事に成功されました^^

また、麺を保管するのに通常は軽いプラスチック製の麺箱を使用するのに対して、重くて取り扱い辛くなりますが、箱の中の湿度が一定に保てる桐の麺箱を使用する事で、ラーメン大将では製造から管理まで細心の注意を払って麺作りに取り組んでおられます。

それまでにも自家製麺の店はありましたが、どの店もスープが主役で麺が脇役でした。

麺を主役の座に導いて、県内でスープとのW主演を実現したのはラーメン大将が「初」だと思います^^


2代目大将が店を継いで最初に取り組んだラーメンが「黒ラーメン」です。

「めん吉@新南陽」はマー油を使った熊本豚骨を古くから提供されていましたが、「なんつっ亭」の様にマー油を前面に押し出して「黒ラーメン」として販売したのは、県内ではチェーン店を除いてラーメン大将が「初」だと思います^^

黒ラーメンへの取り組みは、大将の奥さんのご両親が居られる熊本に里帰りした時に出会った、熊本ラーメンがきっかけなんだとか。

また、鶏ガラベースのスープの「しょうゆラーメン」も魅力です^^ 
豚骨ラーメンの麺とは異なる、太目でモッチリした食感の多加水麺(水分を多く含ませた麺)とのコラボをお楽しみください^^

初代の女将さんが考案されたレシピのセットメニューもこの店の魅力です。

ご両親が活躍されていた頃より品数は減ったものの、チャーハンセット¥300、キムチチャーハンセット¥400、かつ丼セット¥480、チャーシュー丼セット¥430、 餃子・唐揚げ・とんかつ・豚キムチにライスが付いたセット¥280~380と種類は豊富です。

今は2代目の奥さんが義母さんの味を引き継いでサイドメニューの調理を担当されていますが、更に改良を加えて、より美味く進化し続けています^^

サイドメニューの私のお薦めはチャーハンセット、キムチチャーハンセット、かつ丼セットです。
チャーハンセットは醤油ラーメンキムチチャーハンセットは豚骨ラーメン、かつ丼はどちらのラーメンとも相性が良いと思います^^

店主の横顔


ラーメン大将の千葉大将。

2代目大将が店の経営に参加されたのは、今から13年前の2008年。

高校を卒業後に入社したパンメーカーのアンデルセングループの製造部門で10年間務めた時に、自分の将来を改めて考えたそうです。

丁度その時に、ご両親が店をたたむ事を検討されている事を知り、「子どもの頃から食べていた味を守りたい」との思いで店を承継されたそうです。

その後の活躍は前述の通りです^^

ラーメン大将の特徴に注文を受けてから料理提供までの早さにあります。
この高速オペレーションは大将本人の「待たされることが嫌い」という性格が原点だとか。 

厨房のレイアウトを工夫して、サイドメニュー担当の奥さん、ホール担当のお母さんとパートさんとの無駄の無いコンビネーションから生まれる技で、見ていても気持ちが良いです^^

また、お客さんが券売機の前で押しているボタンが見えた時は、その時点で麺茹でをスタートするので、食券を買い終えて席に着いて食券を渡して、セルフの水をコップに注ぎ終わるや否や配膳されるラーメンに驚くお客さんも多いと思います^^

山口県では店に並んでまでして食べる事を嫌う人が多いように見受けられますが、ラーメン大将は回転がとても早いので待ち客の列が出来ていても、諦めて他店へ移動するよりも列に並んだ方が早く席に着けると思います^^

整理整頓が行き届いていて衛生面への気配りも素晴らしいです。
コロナ禍の換気は夏場でも全ての窓を全開にして、エアコンのパワー全開で乗り切られました。 

暑さがピークに達する昨年の夏。コロナ感染関連の騒動に巻き込まれた事がありましたが、その時に店に居られた店員さん、お客さんへの感染が無かったのは、エアコンの電気代度外視の強制換気にあったからだと思います^^
また、一人も感染者が出なかったので保健所からの休業の要請はありませんでしたが、大将は2週間の自主休業を選択されました。 

仕込み中の材料が無駄になり、予定していた2週間の売り上げが無くなるのですから店にとっては大打撃ですが、お客さんの安全と安心を最優先に考えられて判断されたんだと思います。

その男気に感銘を受けて大将に電話をすると本人が出ましたが、携帯のアンテナがついたり消えたりして電波の調子が悪い^^;。。。
お子さんと一緒に朝の太華山(徳山湾に接する362mの半島)への登山をされている最中でした^^ 

本人は何の落ち度もなく、一方的に被害を受けたので、さぞ落ち込んでおられると思って励まそうと電話をしたのですが、落ち込むどころか事故の直後からアクティブに行動されていた姿に、更に男気を感じました^^

ご両親が考案された最高のサイドメニューに、最強の麺と改良した珠玉のスープを手に入れて、お客さん第一の想いで取り組むことにより、たたむ事を考えていた店から一転して一気に人気店へ登りつめたラーメン大将^^

千葉大将は今の現状にまだまだ満足していないはずです。 

これからも益々進化を続けて、お客さんから永く永く愛されるラーメン店になると思います^^

ライター:メンガチョ!! のり 

ラーメン 大将

☎0834-26-0074
所》周南市櫛ケ浜497-2
営業時間》11:00~16:30
定休日》月曜日
駐車場》敷地内に沢山あり
facebookあり 

掲載の内容は取材時のものです。メニューや価格、営業時間、定休日など、最新情報と異なる場合がありますので、事前にご確認をお願いします。


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