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【山口県】みんなで知ろう!子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)のこと

ワクチンは安全?高額?
リスクは?

女性の健康を守るために重要な予防接種といえる「子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)」。公費での接種も可能であり、定期接種が推奨されています。ただ、安全性や費用など「わからないから不安」という声があるのも事実。しっかり知識を身につけて、より良い選択をしていきましょう。

 
 

[Q&A]産婦人科の先生に聞いてみました!

子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の様々な疑問。皆様からのお声を産婦人科の院長先生に答えていただきました。

Q.ワクチンにはどんな効果が?

子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)は、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)感染を防ぐワクチンです。HPVに対する免疫を作り、大部分の子宮頸がんを予防できます。

 

Q.ワクチン接種のリスクは?

接種後の主な副反応として、一般的なワクチンと同様に発熱や接種部位の痛みや腫れなどはありますが、数日以内に改善します。なお、以前疑われた歩行障害・けいれん・自律神経障害などの症状については、国内外で多くの研究が行われ、子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)との因果関係は示されていません。

  

Q.接種費用について知りたいです。

小学校6年生から高校1年生相当の女子を対象とした定期予防接種では、費用は公費負担されます。また、今年度末(2025年3月末)までは過去に接種機会を逃した方も公費接種の対象になります(キャッチアップ接種:対象等の詳細は下記を参照)。対象年齢を過ぎた女性は、全額自己負担で接種できます。また、男性においては4価ワクチンのみ接種できます。自費の場合の費用は、病院・クリニックにより異なりますので、接種前にご確認ください。

 
 

Q.ワクチンにも種類がありますか?

子宮頸がんの原因となるウイルス(HPV)には様々な型があります。現在日本で接種できる子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)は3種類あり、それぞれ、どの型のHPVに効果があるかに違いがあります。2価ワクチン及び4価ワクチンは子宮頸がんの原因を50〜70%防ぐことができ、9価ワクチンは80〜90%防ぐことができます。

 
 

Q.高校生までに受けたほうがいい?

ヒトパピローマウイルス(HPV)は主に性交渉により感染しますので、16歳頃まで(公費接種の対象期間中)に接種することが望ましいですが、それ以上の年齢で接種してもある程度の有効性があることが国内外の研究で示されています。有効性はそれぞれの方のライフスタイルにより異なりますので、かかりつけ医にご相談ください。

お答えいただいたのは…
医療法人 三生会 みちがみ病院
産婦人科医 多久島 康司院長

 

 
「子宮頸がんの予防のためには、ワクチン接種だけでなく、子宮頸がん検診を定期的に受けることも重要です。」

ワクチン接種した親子の体験談
(お母さんの声)

10代の女の子を中心に接種が推奨される、子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)って、実際どう⁉娘をもつママさん達の生の声を聞きました。

   S子さん

うちの高校2年生の娘は先日、かかりつけの小児科で子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の接種を受けました。キャッチアップ接種で、2回目を終えたところです。

一時期、子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の副反応について色んな報道があったので、不安な気持ちもありましたが、接種をせずにがんになる確率と重い副反応が出る確率を天秤にかけたら、接種を受けるほうが良いかなと思いました。

ちなみに娘は副反応はさほどなく、注射を打ったところが痛いと言っている程度でした。

自費だと5~10万円くらいかかるらしいと聞きますし、期間をあけて3回行かないといけないので、定期接種対象期間中に早めに行動すべきだと感じました。

   M美さん

 
大学1年生の娘は高校1年生の時に子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の接種を受けました。ちょうど接種券の送付が再開されたタイミングで届いて、その時、対象年齢ギリギリだったから早くいかなきゃ!と。

実は、子宮頸がんにかかって30代で亡くなった知人がいまして、若いから進行が早かったんです。だから親としてはそんな恐ろしい病気にかかるリスクを少しでも減らしてあげたいと思いました。

副反応の心配をしているのは親の方で、子どもたちの方はそこまで抵抗ないみたいですよね。

ワクチンは公費で受けられます!

●定期接種
 対象の方は子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)接種が公費で受けられます。
【対象】
小学校6年~高校1年相当の女の子

●キャッチアップ接種
【公費による接種期間】~今年度末(2025年3月末)まで
 定期予防接種の積極的な勧奨が控えられていた時期に、対象時期が重なっていたため接種を逃した方も、公費接種の対象になります。ただし接種は合計3回で完了するまでに約6ヶ月かかるため、希望する方はお早めに!

【対象】
・平成9年度生まれ~平成19年度生まれ
 (誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性
・過去に子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の接種を合計3回受けていない
※子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)は合計3回接種します。1回接種したことがある方は残り2回、2回接種したことがある方は残り1回、公費で接種を受けることができます。

【接種を受けるための手続き】
・住民票のある市町からのお知らせをご覧ください。
・過去に受けた接種回数や時期により、接種方法が異なる場合があります。できるだけ母子健康手帳を確認・持参して、市町や医療機関に相談してください。
☆山口県内の子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)を接種可能な医療機関はこちら
(※誌面掲載で案内したQRコードからは新しく更新されております)

※進学や就職などで引っ越しをされる方は、原則、引っ越し先の寮・アパートなどが新しい住所になります。忘れずに住民票を移してください。

山口県の子宮頸がん予防ワクチン
(HPVワクチン)の接種については

山口県健康増進課 感染症班

☎083-933-2956
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/soshiki/47/154389.html
 
 
☆お住まいの市町の予防接種担当課
予防接種に関する市町の窓口(山口県内)
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/soshiki/47/19164.html

〜予防接種健康被害救済制度について〜
極めてまれですが、予防接種を受けた方に重い健康被害が生じる場合があります。子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)に限らず、日本で承認されている全てのワクチンについて、ワクチン接種によって、医療機関での治療が必要になったり、生活に支障が出るような障害が残るなどの健康被害が生じた場合は、申請し認定されると、法律に基づく救済(医療費・障害年金等の給付)が受けられます。
※申請手続き等については、予防接種を受けられた時に住民票を登録していた市町にご相談ください。


掲載の内容は月刊タウン情報トライアングル2024年6月号掲載時のものです。最新情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
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