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【山口登山】やっさんぽ/岩国市寂地山編

たどり着けなかった寂地山

やっさん

周南市のライフスタイルショップ「BEANS」の店長やっさんです。
お店では、服・アウトドア用品・登山用品・スノーボード等を取り扱っていますが、今回は山の事についてクローズアップして発信できる機会を与えていただきました。
このコラムを読んで、興味を持っていただける方が増えたら嬉しいです。
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2024年1月16日、広島県と山口県の丁度県境にある松ノ木峠登山口から寂地山へ行ってきました。

この時期のここからの登山道は基本的には雪。数年前もここから冠山を目指して歩きましたが、その時は登山口からスノーシューを装着していないと、深雪に沈んでしまって歩けないほどでした。

が、暖冬の影響でしょうか。今回は登山道脇に少し雪が残る程度。ちょっと期待外れではありましたが、軽アイゼンだけザックに入れて出発しました。

この登山口、少し広島側に下ったところに、ドックラン&カフェが出来ていました。そこの駐車場が、有料ではありますが駐車可能です。

この日は出発が少し遅れてしまい、無事山頂に辿り着けるかどうか不安を感じながらのスタート。しばらく続くなだらかな登山道にはたいした積雪もなく、良いペースで歩が進みます。

アップダウンを繰り返しながら、徐々に急登個所が続くようになった頃には、登山道にも所々雪が積もり、風が抜ける尾根ではかなり寒さを感じるようになってきました。

6合目付近で休憩しながら軽アイゼンを装着。6本爪アイゼンです。これで滑る不安も無く歩けるようになりました。

実は軽アイゼンの使用は初めてだったりします。足元の雪山装備はスノーシューを2種類と12本爪のアイゼンを持っていて、雪山登山やバックカントリースノーボードをしていますが、意外と軽アイゼンは未使用でした。

なんだか順序が逆のような気もしますが、もっと早く使用しておけば冬の登山をより楽しめたのになという感じです。

また急登個所を越え、一つ目のピークが近付いてきたころには、辺りはすっかり雪景色となりました。
同行者共々、徐々に気分も明るくなりテンションが上がります。やはり 雪景色の森の中を歩くというのは完全に非日常体験。ザクザクと歩く雪の感触も気持ち良いです。

この日は前日の雨の影響でよく締まった雪質、沈んでしまうような深雪ではありませんでした。

が、やはり無雪期の登山と比べると歩くのに時間もかかりますし、休憩や立ち止まって景色を眺めたりすることも多くなります。時間を気にしながら歩き続けましたが、どう考えても寂地山まで行くのは不可能な気がしてきました。


ほどなくして寂地山と冠山の分岐点。ここで時間の関係で寂地山は諦めることにしました。

その代わりにこの雪景色の中でゆっくりとランチタイムを過ごすことにしました。寒々しい雪景色の中でメスティンを使った温かい鍋とうどん。

同行者が用意してくれたデザートまでいただき、特別な時間を過ごすことが出来ました。


下山は少しだけペースを上げて歩き、登山口付近の開けたスペースまで一気に下りました。

そしてそこでまたゆっくりと休憩。お餅を焼き、お汁粉をいただきました。

結果的に、登山ではありますが雪中キャンプのような一日となりました。寂地山山頂には辿り着けませんでしたが良い判断が出来たのではないかと思います。

登山中は各所で色々な判断が必要になります。あらかじめ、その後の登山計画を見直すポイントを決めておいて、時間や体力、同行者の様子など見ながら続行できるのか、引き返すのかを選択していくと良いと思います。

常々思っているのですが、山頂に辿り着く事だけが登山の目的ではなく、道中をいかに楽しむか、有意義に過ごせるかが重要。無理をするよりは余力を残して下山することが何より大事です。

とは言うものの、時には力を出し切るのも楽しいのですが (^^;;

また今回の登山の様子をYoutubeにアップしています。よろしければ併せてご覧ください。

掲載の内容は2024年1月時のものです。おでかけ前に最新情報のご確認をお願いします。


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