9月10日、まだまだ夏真っ盛りでしたが、周南市の大高神山(おおたかがみやま)へ行ってきました。大高神山は山の中腹や山頂付近に戦争遺跡が残っていることでも知られている山。山仲間に付き合ってもらい、9時過ぎに入山しました。
登山口には2~3台分ほどの駐車スペースがありますが、きちんとした駐車場ではないので、後からくる方の邪魔にならないように注意が必要です。トイレもありません。
この日は晴れたり曇ったりを繰り返すような天気。風も無く湿度は高く、気持ち良い天気とは言い難いコンディション。
入山してすぐに分岐点が現れます。直登するか、回り道をするか。少し進んだあたりで再び合流するようです。
回り道は「合格コース」と名付けられており、100歩ほどの遠回りになるようです。「合格コース」という意味は分かりませんでしたが、なんとなく合格コースへ。
そして大高神山名物でもある鐘。熊へ存在を知らせるための鐘が常設されています。もちろんしつこいほどに鳴らし続けます。
この大高神山は地元の団体によっていつも整備されています。登山道は荒れている形跡もなく分かりやすく、迷う個所は皆無です。
気持ち良く歩き進み、と言いたいところですが、やはりこの時期の山は虫が多い。蚊、ブト、メマトイが常に体や顔の周りにまとわりついてきます。さらに罠の様に張られた蜘蛛の巣。油断してると顔にペタっと張り付いてきます。
何故か丁度顔の高さに張られた蜘蛛の巣。しかも妙に丈夫な糸のようで、これをくらう度に叫び声をあげ、心が折れていきそうになります。それを見かねた山仲間が細い棒を持って先行してくれました。
虫、蜘蛛の巣、暑さ。
僕が夏を登山のオフシーズンといている3大要因です。
ただ、せっかく来たのだから楽しまないともったいないです。この3大要因すら楽しもうと気持ちを切り替えて進みます。
山頂が近くなった頃、少し開けた場所に、戦時中に油庫として使われていたレンガ積の建物が見えてきます。朽ちてはいますが原型をとどめている油庫跡。地下タンク跡、兵舎・宿舎跡などが複数存在しています。
そしてほどなく山頂。山頂は開けていて綺麗に整備されています。
先程の油庫跡よりも大きな砲台指揮所跡。この建物、前回来た時は戦時中に軍人さんの手によって建てられたものだと思っていましたが、実はこの基礎となるレンガなどの材料は、当時この山の近所に住んでいた方々の手によって運ばれたものだと知りました。年齢や性別関係なく、お子さんなどもレンガをひとつふたつ持って運んだそうです。今でもこの山を大事に思い綺麗に整備されているのは、この建物を守っていくという地元の方々の想いもあるのかなと感じました。
そしてその話を思い出し、蜘蛛の巣や虫に苛立っていた自分を恥じました。
この山頂広場をもう少し進むとさらに展望箇所があります。天気が良ければ国東半島まで見える場所。季節によっては山頂広場と同じく気持ち良く過ごせる場所です。
あいにくこの日はわずかに感じる風の裏側となってしまっていたので、少しでも涼しい山頂広場で休憩をすることにしました。
\ 山仲間が用意してくれていた冷やしうどん/
\そして背中に担いで来たかき氷マシーンでかき氷/
ちょっとしたピクニックを楽しみました。夏山を楽しく過ごすにはこういう工夫をすると良いです。
ゆっくりと休んで一気に下山しました。下山時は分岐点を合格コースとは別のルートをチョイス。こちら側のルートは足場が土の急斜面なので気を付けて歩かないと滑ります。
そして気付きました。
合格コースは滑らないから合格コースというネーミングなのではないかということ。
いいです、大高神山。
里山らしい里山。
地元の方々によって大事にされていることを本当に感じます。もっと多くの方に知って欲しい山です。
そろそろこの暑さも和らぎ、登山を楽しむのに最適なシーズンがやってきます。ぜひ大高神山登山もご検討ください。
今回もこの時の様子を動画にしてアップしています。よろしければご覧ください。
記事の内容は2024年5月時のものです。おでかけ前に最新情報のご確認をお願いします。