とはいえ、まずはお店の看板お菓子の蜜カスからご紹介しましょう。
蜂蜜カステラは、初代・小川直次さんが開発した、ザラメを引かずに、焼く製法で作り上げたカステラです。
当初は長崎のカステラと同じようにザラメをひいて焼いていたそうですが、当時はそのザラメが残らないようにカステラを焼くことが技術的に難しかったとか。
また、卵の臭みをやわらげるために使う米あめが宇部では入手が難しく、その代わりに蜂蜜を使ってみたところ卵の臭みをうまくやわらげることができたそう。
数々の試行錯誤の末に、蜂蜜カステラが誕生しました。
また、下関産のコクがありつつも上品な蜂蜜の香りと味わいが、次の一口を誘う、魅惑的な余韻を残すのです。
さて、冒頭でもご紹介した通り、小川蜜カス本舗のお菓子は蜜カスだけではありません。
その1つが、宇部の銘菓・利休まんじゅう。
諸説ありますが、このお菓子は「炭坑の町・宇部の石炭をイメージした銘菓を」という思いから誕生したとも云われています。
一口サイズのおまんじゅうは黒あんと白あんの2種類があり、小川蜜カス本舗の利休まんじゅうは、黒あんの場合は北海道産小豆と和三盆糖蜜、黒砂糖を使ったコクのある味わい、白あんは上質なカナダ産大手亡豆のねっとりとした食感が特徴で、両方ともお店で丁寧に炊いたあんを使用しています。
この他にも、本わらびとわらび餅粉、小麦粉をバランス良く配合してもちもちの食感にこだわった「小川のういろう」をはじめ、PH値を測定し、100%自家製で作るこだわりの蜜ゼリー、渋皮の付いた栗がまるごと1個ごろっと入った栗好きにはたまらない「大粒・渋皮」、ブランデーカステラの草分け的存在・小林シェフ直伝のブランデーカステラ、さっくりとしたパイで特製あんや、東北産のリンゴを包み込んだあずきパイ・りんごパイなど、お店にはこだわり抜かれたお菓子の数々が並びます。
丁寧な仕事ぶりが感じられるお菓子の数々からは、そのひとつひとつに真摯に向き合う、研究熱心な当代店主・小川さんの姿勢が感じられます。
さて、皆さんも長文を読んで疲れたところでしょう。
ちょっとお茶と美味しいお菓子でブレイクしませんか。
☎ 0836-21-0857
宇部市昭和町1-4-22
営業時間》8:00~19:00
定休日》日曜
駐車場》あり
http://ogawamitsukasu.jp/